Hello to you

ウサギ飼いだったモーヲタの記憶と記憶

3月30日ブルームーン

 
3月21日の朝、クッキーが亡くなっていることに気付きました。夜中の2時半には、ご飯を食べお水を飲んでいるのを確認しています。あまりにも急な出来事でした。
 
(2005年のクッキーです)
クッキーは推定年齢12才です。もしかしたらこの春で13才になっていたのかもしれません。
以前も書いたのですが、クッキーはもともとはうちの子ではありませんでした。2004年の地震の混乱に巻き込まれ大けがをしてしまい、それからは私が引き取らせてもらい、昼間は一緒に職場へ、夜は家へ連れて帰るという生活でした。
歩けない時期が多かったのですが、2005年の私の誕生日に急にひょこひょこと歩き出したことがあります。それからは不自由な足を引きずってしばらく歩いていたのですが、2008年の正月に私の不注意で低体温にさせてしまったのです。一時意識をなくしたのですが、すぐに元気になってくれました。そのかわりに、それ以来は歩けなくなりました。
 
(2006年のクッキーです)
そして、この最後の1年は完全に寝たきりで、動かせるのは頭と前足が少しです。後半の半年は自分の体を支える力もなくなってしまいました。ですが、食欲もそこそこあり、いつも私の手を喜んでペロペロとなめてくれて、おしゃべりのように鳴きながらご飯を食べたものです。
一方で、去年の12月、「これがクッキーにとって最後のお正月になるかもしれない」という漠然とした予感のようなものもありました。覚悟はしていたのです。でも、クッキーならまだ生きる、明日も、明後日もクッキーは生きるとも思っていたのです。
 
(2007年のクッキーです)
本当に急な別れでした。気付いた時には横たわった体の上半分は冷たくなりはじめており、目は開いたまま瞳孔も動きません。お腹に耳を当てて音を聞いても音はしません。「死んだ」とすぐにわかりました。しばらくは動揺して、ストーブの前で体をさすりながら名前を呼ぶなどしていました。
運転ができないほどの動揺だったので、タクシーを呼び、動物病院に連れて行きました。心電図をはかってもらいました。モニターにうつるのは、まっすぐな線だけです。お医者さんも「心臓はもう、うごいていません」とおっしゃいました。
また、見つけた時に、顔の半分をお水入れのお皿につけていたため、まさか窒息(水死)では、とも思いました。が、鼻と口から若干の出血があり、お医者さん曰く、「高齢で心臓か腎臓に疾患があったかもしれない。意識を急に失って、顔をつけてしまったのかもしれない」との事でした。
健康についてのチェックは常にしているつもりだったのですが、目立った体調不良の様子がなかったため、血液検査などせずにいたことがたたったのでしょうか。もしくは本当に水に顔をつけたことによる窒息だったのかもしれない・・・。そう思うと、なんで気付かなかったのだろう、早く見つけてあげなかったのだろうとそればかり思うのです。
病院では、最後に体をきれいにしてもらいました。毎日のようにお風呂にいれていましたが、こんな形で最後のお風呂になるとは思ってもいませんでした。
家に連れて帰り、一晩、私の部屋で一緒に過ごしました。だんだん冷たくなっていくクッキーが信じられず、何度も顔を見てはなでて泣きました。もっともっとしてあげられることがあったはず、もっと抱っこしたかった、もっとおいしい物を食べさせてあげたかった、もっともっと、といろいろな思いで苦しくなりました。
次の日、ペット葬儀屋さんに来てもらい、クッキーのお葬式をあげました。
今まで入れていた段ボールの箱から棺にクッキーを移すのに、最後に抱っこをしました。なかなか手放すことができず、声を上げて泣きました。こんなにも冷たくなってしまった。悲しくて寂しくて、かわいそうで、クッキーごめんね、ごめんねと言いながら棺に納めました。
お経もあげてもらい、お線香もたき、最後のお別れでは、お花、私と一緒に写った写真、遺影にする写真、お手紙を入れました。葬儀屋さんから手渡された六文銭、守り刀を棺に納めました。
棺のふたを閉める前に、クッキーに「ありがとう、バイバイ」と言いました。
そして、2時間後、お骨になってクッキーが帰ってきました。お骨あげも希望したので、自分でお箸で骨を拾い、骨壺に収めました。薄い1,5cm四方程度の骨があり、聞くと頬の骨だそうです。大きなお顔でふさふさの毛だったクッキーを思い出してまた涙が出ました。それから毎日のように思い出しては、お線香をあげてはメソメソしている日が続きました。
この前の日曜日が初七日です。その日は泣かずに迎えることができました。
 
(2008年のクッキーです)
クッキーと一緒に過ごした時間は約5年半です。その間にいろんな出来事がありました。私にとっては対人関係や仕事のことなどつらいことが多かった時間でしたが、いつも側にいてくれたのはクッキーです。クッキーがいるからなんとか自分を保っていることができた部分が大きいのです。介護が必要なクッキーは私がいないとダメ、だったのではなく、私がクッキーがいないとダメだったのだということに、クッキーが亡くなって初めて気付きました。
たった1,5キロの軽くて小さな命がこんなにも大きな穴を心に開けていくとは思いませんでした。ほぼ寝たきりでおとなしかったクッキーでしたが、今、静まりかえった家の中が寂しくて仕方ありません。
遺影を選ぶために、クッキーの写真を片っ端から見ました。何千枚にも及ぶ膨大な量ですが、一枚一枚その時の様子や出来事がはっきりと思い出せました。たくさんの季節をクッキーと一緒に過ごしてきたのだなぁとしみじみ思いました。
 
(2009年のクッキーです)
今日は満月です。
昨日まで吹雪だった新潟ですが、急に晴れてきれいなお月様が見えました。ウサギさんは亡くなると「お月様に帰る」とよく言われます。お月様に向かって手を合わせました。不自由だった足も治って、体も若返って、たくさんのお友達と一緒に楽しく遊んでいるのかな・・・。想像の世界にすぎませんが、そう願わずにいられないのです。
 
(2010年のクッキーです)
クッキーのおかげで、私はとても幸せでした。クッキー、うちの子になってくれてありがとう。ずっとずっと大好きだよ。